徳田けんいち後援会

歴史・文芸
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フッサール「現象学」


 フッサール(Edmund Husserl)は、19世紀から20世紀初頭のドイツ・オーストリアの哲学者で、現象学(Phenomenology)の創始者として知られています。彼の現象学は、哲学的手法として直接経験に焦点を当て、物事の本質や意味を解明しようとする哲学的アプローチです。

 現象学は、主観的経験や意識の中に現れる「現象」を研究し、それらの現象の背後にある本質や意味を明らかにしようとします。フッサールは、経験のあり方についての認識を深めるために、物事そのものに直接アプローチし、先入観や仮定を排除することを重要視しました。

 現象学の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

 被験者の主観的経験に焦点を当てる:
 現象学は物事そのものに対する客観的な観察ではなく、人間の主観的経験を重視します。人間が経験する現象や意識の内容に着目して、その意味や本質を追求します。

 エポケー(Epoché)の概念:
 フッサールは、エポケーと呼ばれる方法を用いて、先入観や仮定を一時的に保留し、物事を客観的に見つめることを試みました。エポケーは一種の無批判な一時的中立状態とも言えます。

 意識の意向性(Intentionality):
 フッサールはブレンターノの意図性(intentionality)の概念を発展させ、経験の中にある意識の対象性を強調しました。意識は常に何かを意図する性質を持っており、現象学はその意識の対象を明らかにしようとします。

 フッサールの現象学は、後の哲学者によってさまざまな方向へ発展し、20世紀の哲学に大きな影響を与えました。フッサールの弟子であるハイデッガーやサルトルなどが、現象学を継承しつつ独自の哲学を展開しています。

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