慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)は、腎臓が機能を長期間にわたって失う状態を指します。この疾患は進行性で、腎臓の機能が段階的に低下していきます。CKDは通常無症状で進行することが多く、初期の段階では気づかれないことがあります。
CKDの主な原因としては、高血圧や糖尿病などの慢性的な病気、腎臓の炎症、腎臓に対する有害物質の暴露などが挙げられます。遺伝的な要因や腎臓に影響を及ぼす他の疾患もCKDの原因となることがあります。
CKDは以下の5段階に分類されます(GFR:腎臓の濾過率):
G1:軽度の腎機能障害(GFR 90 mL/min/1.73m2以上)
G2:中等度の腎機能障害(GFR 60-89 mL/min/1.73m2)
G3a:中程度から重度の腎機能障害(GFR 45-59 mL/min/1.73m2)
G3b:重度の腎機能障害(GFR 30-44 mL/min/1.73m2)
G4:腎不全(GFR 15-29 mL/min/1.73m2)
G5:末期腎不全(GFR 15 mL/min/1.73m2未満または透析が必要)
CKDは早期に発見し、適切な管理を行うことが重要です。治療は病因に応じて異なりますが、一般的な対処法には次のようなものがあります:
原因の治療:高血圧や糖尿病など、CKDの原因となる疾患を適切に管理することが重要です。
生活改善:健康的な食事、運動、禁煙、アルコールの制限などが腎臓の健康をサポートします。
薬物療法:特定の症状や合併症に対して薬物療法が行われることがあります。
透析:末期腎不全の場合、透析(人工腎臓による血液浄化)が必要になることがあります。
腎移植:末期腎不全の患者には腎臓移植が選択肢として考慮されることがあります。
定期的な医師の診察や腎臓の機能をモニタリングすることで、CKDの進行を遅らせたり、合併症のリスクを軽減したりすることができます。自己判断せずに、医師の指示に従い適切な治療を受けることが重要です。