徳田けんいち後援会

歴史・文芸
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トルストイ「復活」


 レフ・トルストイはドストエフスキーと同時代に活躍したロシアの作家で、「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」など、すばらしい作品を遺しています。ドストエフスキーとは、思想的には異なりますが、作品の雄大さ・精緻さには、他の作家たちには真似のできない共通点があります。

 おなじ時代、おなじロシアに、このような天才的な作家が二人も生まれたことは、奇跡的であるように思われます。

 トルストイ(Leo Tolstoy)の小説『復活』(”Resurrection”)は、彼の代表作の一つであり、1899年に完成し、1900年に出版されました。この小説は、トルストイの晩年に書かれた作品であり、彼の倫理的・宗教的な考えを反映しています。

 文体には、新緑を思わせる新鮮な視点が感じられ、これがこの小説の隠れた魅力なのかもしれません。

 『復活』の物語は、主人公であるプリンス・ニハイリン(Prince Dmitri Nekhlyudov)として知られる青年の成長と変容を描いています。プリンス・ニハイリンは、かつて彼が愛していた貧しい農民の少女カチェンカを陥れ、その結果、彼女が苦しむ原因となってしまったことに苦しんでいます。彼は彼女の不当な有罪判決を知り、彼女に対する過ちを償おうと決意します。

 物語はプリンス・ニハイリンの社会的な冷酷さと無感情さから、彼の良心の目覚めと共に進展していきます。彼はカチェンカとの再会を果たし、彼女を助け、自らの過去の罪に向き合いながら、人間の倫理的な問題や社会的な不正義に真摯に向き合うようになります。

 『復活』は、トルストイの重要なテーマである愛、赦し、苦しみ、宗教、社会的責任などについて深く探求した作品として評価されています。また、彼の晩年の思想が詰まった作品としても知られており、トルストイの哲学的な視点を反映した作品の一つとされています。

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