徳田けんいち後援会

歴史・文芸
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シオニズムと聖書の関係


 シオニズムは、15世紀から19世紀にかけて起きたヨーロッパでのユダヤ人の迫害・虐殺(ポグロム)を受けて、ユダヤ人のあいたで興ったユダヤ人の国家であるイスラエルの創設と、イスラエルへの帰還を支持する政治的・民族的運動です。
 シオニズムの概念は、ユダヤ教の聖書の予言と関連づけられています。聖書の一部では、イスラエルの民が散らばり、異なる国々に追放されることが予言され、一方で、イスラエルの民が再び故郷に帰還し、国家としての復活を果たすと予言されています。

 アッシリアの捕囚(紀元前722年)によってイスラエル王国が滅ぼされ、アッシリアに強制的に捕らわれた後、行方が分からなくなったイスラエルの10支族に関連して、シオニズムと聖書の予言との関係が議論されることがあります。一部のシオニストは、イスラエルの10支族の子孫が世界中に散らばっていると信じ、彼らがイスラエルへの帰還を果たすことによって、聖書の予言が成就されると考えています。

 失われたイスラエルの10支族、メシアの再来、そしてイスラエルの復活に関する聖書の予言は、キリスト教や一部のユダヤ教の信仰において重要なテーマです。以下に関連する予言の一部を示しますが、異なる宗派や信念によって解釈が異なることに留意してください。

 ① アモス書9:14-15
 この預言では、アモスがイスラエルの再建と復興を予言しています。イスラエルの人々が再び約束の地に住み、豊かな収穫と繁栄を得ることが述べられています。

 ② エレミヤ書31:31-34
 エレミヤの預言では、新しい契約が成立し、神の律法がイスラエルの人々の心に書かれると述べられています。この預言は、メシアの到来と共に起こると解釈されることがあります。

 ③ イザヤ書11:11-12
 イザヤの預言では、イスラエルの散らばった者たちが再び集まり、神の導きの下で約束の地に帰還すると述べられています。これは、イスラエルの復活と関連付けられることがあります。

 ④ エゼキエル書37:1-14
 エゼキエルの幻では、乾いた骨が再び生き返り、イスラエルの人々が復興する様子が描かれています。これは、イスラエルの復活と再建を表象していると解釈されることがあります。

 聖書の予言のなかで、イスラエルの復活が、失われたイスラエルの10支族の帰還とメシアの再来に関連づけられて語られていますので、信仰の厚い人たちにとっては、イスラエルの神であるヤハウェとの関係において、自分たちが神の導きや加護の対象として十分な資格を持っているかどうかということが問われることになります。
 また、このような問いかけは、ユダヤ人を名乗るすべての人たちに向けられることになります。

 補足 : ヤハウェの加護、モーセによるエジプト脱出

 モーセとエジプト脱出は、旧約聖書の出エジプト記に詳しく描かれています。モーセは、イスラエル人のリーダーであり、エジプトからの解放と約束の地への導き役となりました。

 出エジプト記によれば、イスラエル人はエジプトで奴隷として暮らしていました。しかし、モーセは神からの啓示を受け、エジプト王(ファラオ)にイスラエル人の解放を求めました。この時、神はさまざまな奇跡や災いをもたらし、エジプトに対して神の力を示しました。これらの出来事は、神の加護とモーセの指導によってエジプト脱出への道を開くものでした。

 エジプト脱出は、旧約聖書の出エジプト記に描かれている重要な出来事であり、その中で神の力が顕著に示されています。

 ① 十の災い(エクソダスの災い)
 神はエジプトに対して十の災いをもたらしました。これらの災いには、水を血に変える、カエルの大発生、虫の大量発生、家畜の疫病などが含まれています。これらの災いは、エジプトの神々に対する神の力の優越性を示すために起こされたものです。

 ② 紅海の分け道
 エジプト脱出の際、イスラエル人は紅海(シナイ海)に追い詰められました。しかし、神はモーセを通じて紅海を分け、イスラエル人が乾いた地を通って安全に渡ることを可能にしました。これにより、エジプト軍からの追撃を逃れることができました。

 ③ 柱の雲と火の柱
 エジプト脱出後、神はイスラエル人を導くために柱の雲と火の柱を現しました。昼間は雲がイスラエル人を覆い、夜間は火の柱が光をもたらしました。これにより、イスラエル人は神の導きのもとで進むことができました。

 これらの出来事は、エジプト脱出時に神の力がイスラエル人に与えられたことを示しています。神はイスラエル人を救い出し、彼らを奴隷の状態から解放し、約束の地へと導きました。エジプト脱出は、イスラエル人の信仰と神の力を象徴する重要な出来事とされています。

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