アメリカには、現在、アメリカ合衆国からの州の独立を求める二つの運動があります。一つはテキサス州の独立運動、もう一つはカリフォルニア州の独立運動です。
テキサス州の独立運動
テキサス州独立運動は、アメリカ合衆国の一部であるテキサス州が独立を求める運動を指します。
テキサス州は元々メキシコの一部でしたが、1836年にテキサス革命が勃発し、独立を果たしました。その後、1845年にアメリカ合衆国に併合され、現在もアメリカ合衆国の一部となっています。
しかし、テキサス州には南北戦争以前まで遡る独自の文化や歴史があり、一部の人々はテキサス州の独立を望むようになりました。独立運動の支持者たちは、テキサス州が経済的に自立し、政治的な自主性を持つことができると主張しています。
テキサス州の独立運動は、時折メディアの注目を集めることがありますが、一般的には少数派の意見です。アメリカ合衆国憲法によれば、州の独立は連邦政府の承認が必要とされており、現時点ではテキサス州の独立が実現する可能性は低いとされています。
ただし、個々の政治的な状況や意見は変化することがありますので、将来的にテキサス州独立運動が再燃する可能性も完全に否定することはできません。
ちなみにテキサス州はレッドステート（red state）と呼ばれ、アメリカの大統領選挙において共和党を支持する傾向が強い州とされています。
カリフォルニア州の独立運動
カリフォルニア州はアメリカ合衆国西部に位置し、人口や経済規模が非常に大きい州の一つです。
カリフォルニア州独立運動は、様々な要因によって促進されています。その中には、カリフォルニア州の文化的な多様性や経済力、環境問題、移民政策などが含まれています。一部の独立運動の支持者たちは、カリフォルニア州がアメリカ合衆国から独立することで、より自主的な政策決定を行い、地域のニーズにより適した政策を追求できると主張しています。
しかし、カリフォルニア州の独立は法的・憲法的に複雑な問題を抱えています。アメリカ合衆国憲法は連邦政府の下での州の所属を定めており、州の独立には連邦政府の承認が必要です。また、カリフォルニア州の独立は他の州や連邦政府との関係、国際的な地位など多くの面での課題が存在します。
カリフォルニア州独立運動は、一部の人々の間で支持されていますが、一般的には、テキサス州の独立運動同様に、少数派の意見とされています。
カリフォルニア州はブルーステート（blue state）と呼ばれ、大統領選挙では民主党の支持エリアとされています。
テキサス州とカリフォルニア州の名目州内総生産（GSP）
カリフォルニア州の名目州内総生産（GSP）は2022年にはドイツを抜き、米国、中国、日本に次いで「国別」で世界第4位に相当する経済規模になるとされています。また、テキサス州の名目州内総生産（GSP）も、アメリカ国内においてはカリフォルニア州に次いで大きく、テキサス州とカリフォルニア州の独立運動は、アメリカにとって、合衆国解体にも繋がる悩ましい問題ということになります。
