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長崎大、コロナ薬の治験を月内開始 抗HIV薬を投与

 ちょっと前のニュースになりますが、7月10日、長崎大学が抗エイズウイルス(HIV)薬の「ネルフィナビル」の医師主導臨床試験(治験)を月内に開始すると発表したそうです。
 「ネルフィナビル」については、今年の4月、東京理科大学と国立感染症研究所などの研究グループから、抗HIV薬「ネルフィナビル」と脱毛症治療薬「セファランチン」の併用投与により、新型コロナウイルスに感染した細胞から検出限界以下までウイルスを排除できたという研究結果が公表され、ずっと気になっていました。
 検出限界以下ということなので、オーストラリアのモナッシュ大学の研究チームが新型コロナウイルスに感染した細胞にイベルメクチンを添加したところ、48時間後にウイルスRNAを5000倍まで減少させることができたという研究結果を彷彿とさせ、イベルメクチン同様に、新型コロナの治療薬として大きな期待を感じさせます。
 「ネルフィナビル」単独なのか、「セファランチン」など他の薬剤との併用なのかはわかりませんが、早ければ1~2カ月で試験を終えるということなので、結果に注目したいと思います。

 以下、7月10日の日本経済新聞からの引用になります。

 長崎大学は10日、新型コロナウイルス感染症の無症状者や軽症者を対象に、抗エイズウイルス(HIV)薬の医師主導臨床試験(治験)を月内に始めると発表した。実際の患者でウイルスがなくなるまでの日数などを調べる。早ければ1~2カ月で試験を終え、結果をまとめたい考えだ。

 薬は「ネルフィナビル」で、日本たばこ産業(JT)と米ファイザー子会社が共同開発し、国内ではJT子会社が2020年3月まで販売していた。HIVが細胞内で増える際に必要な酵素の働きを妨げる。国立感染症研究所などが4月、細胞に新型コロナウイルスを感染させた実験で、ウイルスを減らす効果があったと報告していた。

 治験は宮崎泰可・長崎大講師らが進める。無症状や発症早期の軽症の成人患者120人を2つに分け、薬を投与した群としなかった群で、ウイルスが体内から検出できなくなるまでの日数を比べる。発症や重症化を抑える効果なども調べる。治験には東京大学医科学研究所や大阪市立十三市民病院なども加わる。

 コロナ治療薬を巡っては国内外で既存薬などを使い効果を調べる研究が進んでいる。エボラ出血熱向けに開発された「レムデシビル」は新型コロナ患者の回復を早める効果が米国などで確認され、日本も特例承認した。英オックスフォード大学は抗炎症薬「デキサメタゾン」が重症患者の死亡率を下げるとの研究結果を発表している。

 「ネルフィナビル」と「セファランチン」については、4月23日の大学ジャーナルの記事が参考になると思いますので、以下、引用させていただきます。
 
 「新型コロナウイルス治療薬候補となる既承認薬を発見、東京理科大学など」

 東京理科大学の渡士幸一客員教授のグループは、すでに承認されている薬剤から新型コロナウイルス増殖を効果的に排除する多剤併用を見出した。今回の成果は、国内外の25の研究室・プロジェクトの共同研究(注)により得られた。

 研究グループは国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスを用いて、すでに何らかの疾患に対して臨床で使用認可されている約300の承認薬のウイルス増殖への効果を検証した。そのうち5剤がウイルス増殖による細胞傷害を抑えることを見出し、この中から特にネルフィナビル、セファランチンに着目した。

 ネルフィナビルは抗HIV(ヒト免疫不全ウイルス)治療薬、セファランチンは白血球減少症や脱毛症、マムシ咬傷に使用される薬剤。これらはそれぞれ感染細胞から放出されるウイルスRNAを1日で最大0.01%以下にまで強く減少させ、現在治療薬候補となっているロピナビルやクロロキン、ファビピラビルよりも強い活性を持っていた。またネルフィナビルとセファランチンの併用により、1日で感染細胞からのウイルスを検出限界以下に排除できた。

 また、実際に臨床で使用される投与量でどの程度ウイルス排除に有効かを数理解析で予測した結果、ネルフィナビル(経口投与)単独治療で累積ウイルス量が約9%に減少し、ウイルス排除までの期間が約4日短縮した。またネルフィナビル(経口投与)とセファランチン(点滴投与)の併用治療ではさらに効果が増強し、累積ウイルス量が約7%に、ウイルス排除までの短縮期間が約5.5日となった。

 今回の結果は、新型コロナウイルスに対する新たな治療法を提案し、ウイルスの新規伝播の抑え込みに有用な知見を提供するとしている。

注:国立感染症研究所、東京理科大学、九州大学、産業技術総合研究所、筑波大学、長浜バイオ大学、奈良先端科学技術大学院大学、インディアナ大学、国立国際医療研究センター、北海道大学、東京大学、オックスフォード大学などが参加。

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