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新型コロナの感染を抑制する抗体を作製、花王などが治療薬開発へ提携先募る

 PCR検査数を増やす増やさないで議論が盛んなここ数日ですが、一般の患者さんの立場からすれば、発熱など普段見られない病状が現われ不安を感じるようなとき、近くの病院やクリニックで診察を受け、治療を受けられれば、おそらくはそれで十分ではないかと思います。しかし、現状はそのような体制になっていないので、現在、大きな問題になっているように思います。
 検査と隔離ばかり繰り返しても治療できなければ、いたずらに隔離者を増やすばかりで、医療資源の疲弊に繋がるように思います。幸いアビガン(抗インフルエンザウイルス薬)、レムデシビル(エボラ出血熱治療薬)、オルベスコ(吸入ステロイド喘息治療剤)、アクテムラ(関節リウマチ治療薬)、フォイパン(膵炎治療薬)、イベルメクチン(駆虫薬)など複数の薬剤が治療薬の候補として挙げられていますので、今後、検査と治療の有効な体制が確立されてくるように思われます。
 検査と治療の体制が整えば、自ずと一般の病院やクリニックでの実施も視界に入って来ます。そのための法整備も必要になって来ると思いますが、このような環境が整ったとき、はじめて新型コロナウイルスによる感染症が風邪やインフルエンザと同様のものになるように思います。
 そして、さらに感染を予防できるようになると、感染防御に不安のある病院やクリニックでも安心して検査と治療ができるようになりますので、検査と治療が一般化して行くうえで、大変重要な契機になるかと思います。

 5月8日のニュースで、ラクダ科動物由来のVHH抗体が新型コロナの細胞への感染を抑制したという記事を見ましたが、大変興味深く感じました。ポイントは抗体をワクチンのように免疫ではなく、VHH抗体の配列情報をもとにして、微生物を使ってVHH抗体を生産したということかと思います。治療と検査に有効ということでしたが、抗体ということなので、体内に長いあいだ留まることで、感染予防にも役立つように思います。実験段階ということなので、実用化されるまでどれだけ時間がかかるかわかりませんが、期待したいと思います。

 以下、日経BP(5/7)からの引用になります。

 花王と北里大学、バイオベンチャーのEpsilon Molecular Engineering(EME)は2020年5月7日、新型コロナウイルスのヒト細胞への感染を抑制する低分子抗体を作製したと発表した。診断薬や治療薬の開発につながる可能性があるため、実用化を目指す提携先を募る。

 今回作製したのはVHH(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain)抗体と呼ばれるもの。新型コロナウイルスの表層に存在するS1たんぱく質に結合し、ウイルスがヒト細胞の受容体を介して感染するのを抑制する。VHH抗体は一般的なIgG抗体と比較して10分の1の分子量で小さいため、微生物を利用して低コストで大量に製造できる。安定性が高く、保管や輸送の際も取り扱いが容易とされる。

 花王の安全性科学研究所グループリーダーの森本拓也氏は「VHH抗体は改変しやすく、新型コロナウイルスの変異にも迅速に対応できる」と、感染症領域でVHH抗体を活用する利点を話す。

 花王はEMEの「cDNAディスプレイ法」を用いて新型コロナウイルスを対象としたVHH抗体を作製した。cDNAディスプレイ法を使うと抗体作製までにかかる時間を短縮できる。cDNAディスプレイ法ではまず、新型コロナウイルスのS1たんぱく質と結合する可能性が高い遺伝子配列を決定する。得られた遺伝子配列をもとに微生物で多種類のVHH抗体を作製し、S1たんぱく質との結合能を評価。高い結合能を持つVHH抗体の候補を選出した。

 その後花王は、北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学I研究室の片山和彦教授と共同で、VHH抗体候補の感染抑制能を検証した。VHH抗体候補と新型コロナウイルスを、培養したヒト細胞に同時に反応させたところ、ヒト細胞への感染を抑制することが示されたという。「得られたVHH抗体は、風邪の原因であるコロナウイルスOC43に対しては感染抑制能を発揮しなかった。新型コロナウイルスへの特異性を示唆している」と森本氏は紹介していた。

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