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ソニー半導体が日本を引っ張る時代がやってきた

 メーカーが競合他社との差別化を図るには、少なくても主要な素材や部品については自社開発、自社製造する必要があるように思われます。素材や部品を外部から調達し製品化しているだけでは単なる組立屋になり、同業他社との差別化は価格競争力など技術以外の分野に求められ、技術への信頼などブランド価値による市場の席捲が困難になってしまいます。最近はいくらか持ち直しているようですが、ソニーのこれまでの凋落の歴史は、ソニーが素材や部品の自社開発、自社製造を止め、安易に外部から調達するようになったときから始まったように思われます。そのような選択は、ソニーがソニーであることを自ら否定することになり、現在まで続くソニー本体の凋落の歴史の主要な原因になったように思われます。永きに亘るソニーの家電市場、情報機器市場での苦境の原因は、まさにそのような選択にあったのではないでしょうか。そういう意味では、ソニーが今回のように半導体を自社開発、製造していることは、時間はかかるかもしれませんが、ソニーブランドの回復に結び付き、ソニーファンにとっては、大変喜ばしいことかと思います。

 以下、3/14(木)のLIMO(LIFE & MONYEY)からの引用になります。

 「ソニー半導体の時代がやってきたと思えてならない。世界初の本格的トランジスタラジオを作り上げたソニーのDNAはやはり半導体にある。この数年間で2兆円を超える投資も予想され、ニッポン半導体のリード役に躍り出るだろう。得意とするCMOSイメージセンサーはフォトダイオード、フォトカプラ、マイコン、メモリーなどのデバイス売り上げも喚起するわけで、只事ではない状況に入ってきた」

 こう語るのは証券業界の著名アナリストの一人だ。確かにソニーの画像半導体となるCMOSイメージセンサーはもはやダントツで世界首位となっており、18年は51%のシェア(金額ベース、テクノシステムリサーチ調べ)を有しているものとみられる。

 監視カメラと車載で膨大な需要

 中国は社会信用システムに20兆円を投資するといわれ、その中核として中国全土にカメラネットワーク導入を進めている。現在1億台くらいである監視カメラを何と6億台まで持っていくのだが、そのほとんどにソニーのCMOSイメージセンサーが使われるといわれている。スマホは台数ベースではダウンしているが、ハイエンドタイプへのシフトが進んでおり、センサー3個を使う製品も増えてきたことでこれもソニーには追い風となる。

 車載向けでもソニーの技術はズバ抜けている。1億画素の製品も作り上げており、150℃の高熱にも耐えられ、DRAM搭載で高精細かつ超高速を成しとげ、LED信号のちらつきをもモノともしないという技術レベルは、まずもってサムスン、オムニビジョンなどの追随を許さないだろう。レベル4以上の自動運転になれば1台の車に19個のCMOSイメージセンサーが積まれるわけで、車の年間出荷台数が約1億台であることを考えれば、車載向けもほぼ独占すると思われるソニー半導体の業績はまさに右肩上がりが予想されるのだ。

 合計2兆円以上の設備投資は確実

 ソニーはここ2~3年で6000億円の大型投資を断行しており、これまでの300mmウエハー10万枚の能力を13万枚以上に上げていくべく、山形テックの設備拡張を中核に長崎、熊本などでも増強が進んでいる。そしてUMCの傘下に入った旧富士通・三重工場にもファンドリーの委託生産を行っている。

 この次のステップとして車載向けを中心にウエハー能力を20万枚まで上げていくわけだが、これには少なくとも1兆2000億円の投資が必要であり、結果的にはトータル2兆円を超える設備投資を断行することはまずもって間違いないだろう。大型工場新立地となることは確実であり、各都道府県の企業誘致担当はにわかに色めき立っている。

 「他デバイスの売り上げにも貢献」

 CMOSイメージセンサーは、フォトダイオード、フォトカプラ、マイコン、メモリーなど多くの半導体を集積するものであり、ソニーが持っていないデバイスは外部から購入している。例えばフォトカプラは東芝から、DRAMはマイクロンから買っているが、先ごろソニー内部にメモリー事業部も新設し、抵抗変化型のメモリーReRAMの開発にも着手した。現在苦境に陥っているルネサスのマイコンも今後採用に動くかもしれない。東芝へのメモリー生産の本格委託も期待される。

 こうなれば、ソニー半導体はまさにニッポンの核弾頭であり、救世主となっていくのかもしれない。そして重要な点として、作っても作っても足りないCMOSイメージセンサーの価格は急落するメモリーとは異なり、1個1.7ドル前後(1300万画素)でこの1年間全く価格が下がっていないのだ。

泉谷 渉

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