議院代表制と市民の役割の再確認
議員代表制において市民の役割は非常に重要です。この制度は、市民が自らの代表を選出することによって政治プロセスに参加し、意見を反映させる民主的な仕組みです。
参加と発言 : 選挙だけでなく、市民は政治的な活動や公共の討論に参加し、自らの意見や提案を発信することも重要です。市民の声が政策決定に反映されるためには、積極的な参加が必要です。
監視と評価 : 選挙で選ばれた議員は市民の代表者であり、その行動や政策決定に対して市民は監視し、評価する責任があります。議員が約束を果たしているか、市民の利益を適切に代表しているかを見極めることが重要です。
政策提案 : 市民は自らの関心や課題に対して政策提案を行うことができます。議員に対して具体的な政策要望を伝えることで、より現実的で効果的な政策が実現する可能性が高まります。
このように議員と市民の関係は、市民が自らの代表を選出して終わりということではなく、政策を実現するための協働体としてずっと連携して行きます。
豊かな市政を実現するための財源
豊かな市政を実現するためには、そのための財源が必要になります。市の財源には国や都からの交付金をはじめとして様々なものがありますが、行政の施策次第で大きくできるものに市民税があります。市民税のなかでも法人事業税は比重も大きく、財源を増やす上でのポイントになります。
法人事業税を増大させるには、事業者の商品や製品やサービスをより多くの顧客層に利用していただけるようなものにすることです。事業者はそのために自社の商品や製品やサービスをより価値のあるものにするように努力を重ね、行政は事業者を包含する地域や環境を整備し、事業者の商品や製品やサービスの魅力をいっそう高めることで、事業者を間接的に支援します。
行政が行うこのような地域や環境の魅力の創出が地域や環境のブランディングであり、地域や環境がブランディングされることで、域内にある多くのものが派生的にさらにブランディングされ、より高い魅力と付加価値を獲得し、地域を超えた広範な購買層にも訴求できるようになります。
地域や環境をブランディングすることで、域外からインバウンドを誘導し、地域の商工業や市民生活を活性化し、豊かな市政の実現に結び付けることが可能になります。
東久留米市のブランディング
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1. 東久留米市を手塚治虫先生の名声という資産でブランド化し、東久留米市の観光立地を実現しましょう。
手塚先生は60歳で亡くなるまでの約10年間を東久留米市で生活していましたが、周知の通り漫画・アニメ界の先駆者、巨人であり、日本国内はもとより世界中にファンや愛好家がいます。手塚先生がこのまちで生きた息吹が感じられるようなものを整備することで、それらの人々の関心を東久留米市に集め、東久留米市への来訪も期待できるようになります。(インバウンド効果)
手塚先生に遺していただいた先生の名声という資産を活用させていただくことで、東久留米市を輝かしい魅力、価値、ブランドとして確立することができ、また、その効果として、東久留米市を観光地にすることができるようになります。
そして、その影響力は、世界中にファンや愛好家がいることで、日本国内にとどまらず、世界中に及ぶことになります。
2. 実現可能なコンパクトな企画を策定しましょう。
このような企画を策定するとき、往々にして壮大な記念館のようなものを想定しがちですが、市役所のロビーや図書館の一隅に手塚先生の仕事部屋を忠実に再現するだけでもファンや愛好家にとっては魅力があり、東久留米市の財政でも手が届くものになります。
そして、このような企画は、地域振興、地域経済の活性化、担税力の強化など、地域住民の生活の向上のためのインフラ整備、制度設計、制度運用の一つとして位置づけられることから、行政本来の役割として、市が主導することになります。
行政の役割とは、一般的に行政サービスと呼ばれていますが、市民生活の向上のためのインフラ整備、制度設計、制度運用に要約することができます。
3. 東久留米市のブランド効果を活用し、地域振興、地域経済の活性化を図りましょう。(東久留米市のブランド化の派生効果)
東久留米市をブランドとして確立することで、地域内の多くのものが東久留米市から付加価値を与えられ、特別なものになり(競合との差別化、競争力の強化)、地域振興、地域経済の活性化に寄与するようになります。
たとえば深大寺のそばについて考えてみます。そば粉をロシアや中国からの輸入に頼るようになっている今日、地域による味の違いは出にくくなっているように思われます。実際、東久留米で食べるそばも深大寺で食べるそばもおいしく、味に大差はないように思われます。
しかし、深大寺で食べるそばは、深大寺という特別な場所で食べる特別なそばであり、深大寺でそばを食べる行楽客は、自分でもはっきりとは意識しないまま、深大寺という寺の歴史の重みを感じながらそばを食べているように思われます。
これが深大寺というブランドがもたらす付加価値、特別な体験ということになり、地域の多くのものが深大寺というブランドから付加価値を与えられ、価値を高めているように思われます。その結果、深大寺というブランドが地域振興、地域経済の活性化に多大な影響力を及ぼしていることがわかります。
東久留米市について、深大寺とおなじ構図で考えると、東久留米市という強いブランドが、地域の商品やサービス、たとえば柳久保の小麦、柳久保小麦を使ったかりんとう・パン、東久留米市内の生ハム・干菓子・ラーメンなどに付加価値を与え、商品やサービスの魅力をいっそう高めることで、地域振興、地域経済を活性化するということになります。
そして、東久留米市のブランド効果による地域振興、地域経済の活性化は、市民生活の満足度、市外からの企業誘致、住民の転入など、あらゆる面において好影響・好循環をもたらすようになります。
4. インターネットを活用し、東久留米市が手塚先生が暮らしたまちであることを国内外に広め、ファンや愛好家をはじめとした観光客の東久留米市への来訪を企画しましょう。
インターネットのホームページ、ブログ、YouTube(ユーチューブ)等を利用し、低額の料金で、東久留米市が手塚先生がかつて暮らしたまちであること、東久留米市における当時の先生の生活のあかしになるようなものを国内外に発信するようにします。その際、閲覧者を地域の事業者のホームページに誘導できるような仕組を作っておくと、インターネット上で受注も決済も配送の手配もできますので、地域の事業者の商品やサービスを遠方の消費者にも提供できるようになります。
そして、それは何よりも、インターネットを通じて東久留米市の魅力を知ることになった人々が東久留米市を訪れるきっかけを作り出すことになります。
やがてそれらの人々が東久留米市に来訪し、市役所の一階のロビー、または図書館の一隅に設置された手塚治虫記念スペース(たとえば、10~20畳ぐらいのスペースに手塚先生の仕事部屋を忠実に再現したもの)を訪れるようになると、市役所、または図書館までの通りの両側に、観光客を対象にした飲食店、土産物店、宿泊施設などが徐々に立ち並ぶようになります。そして、手塚治虫記念スペースに立ち寄った観光客たちは、市が設置した観光案内に誘導され、南沢湧水群、落合川の清流を見てまわり、時間があれば下里の新山遺跡、下里本邑遺跡まで足を延ばし、最後に東久留米駅周辺の施設で休憩し、スケジュールが許せば駅周辺の宿泊施設で宿泊することになります。彼らはそこで、東久留米市というブランドに付加価値を与えられた飲食やサービスを享受し、自分たちが何か特別な体験をしているという淡い印象を感じながら、将来またいつか、東久留米市を再訪したいと思うようになるかもしれません。
こうして地域振興、地域経済の活性化が後押しされ、リピーターを中心に拡大する循環型の文化・経済の基盤が着実に形成されていくように思われます。
5. 西武鉄道、トキワ荘(豊島区)、レッツゴー!レオランド(所沢市)、 ムーミンバレーパーク(飯能市)と連携し、池袋から飯能にいたる観光ルートの確立を模索しましょう
手塚先生にゆかりのあるものとして、豊島区にトキワ荘(豊島区立)、所沢市にはレッゴー!レオランド(株式会社西武ホールディングス・株式会社西武園ゆうえんち)、飯能市にはムーミンバレーパーク(フィンテックグローバル株式会社・株式会社ムーミン物語)があります。手塚先生とムーミンの繋がりは、ムーミンのアニメを虫プロダクションが第27話以降最終回まで担当していたことに由来します。西武池袋線を中心に、トキワ荘(豊島区)、手塚治虫記念スペース(東久留米市)、レッゴー!レオランド(所沢市)、ムーミンバレーパーク(飯能市)が連携し、池袋から飯能を結ぶ観光ルートができると、スタンプラリーなど共通イベントの実施が考えられるようになります。各事業体の創立・運営のコンセプトの相違、経済的効果の検証など、調整しなければならない問題は多々あるかとは思いますが、将来、東久留米市を大きく飛躍させるために、東久留米市において、このようなことも検討されるようになることを期待したいと思います。
6. 東久留米市のブランディングにより地域振興、地域経済が活性化され、大きくなった自主財源、強化された担税力で、医療、介護、 福祉、子育て、教育、就労、就業、生活全般にかかわる支援など、市民生活を支える行政サービスを拡充しましょう。
東久留米市の歳入は、大きなものとしては市税、地方消費税交付金、地方交付税、国庫支出金、都支出金ということになりますが、そのなかの法人市民税を含む市税、いわゆる自主財源の割合を高めることで、あらたな行政サービスの提供、これまで十分に実施できなかった行政サービスの拡充が可能になります。
財源を確保できれば、医療、介護、福祉、子育て、教育、就労、就業、生活など、市民生活にかかわる給付、制度において、東久留米市独自の上乗せ給付、制度の拡充も可能になってきます。
そのため、自主財源の拡大、担税力の強化、それらを可能にするビジョンの構築、発想の転換が、今後の課題になります。
市の人口構成比の若年化を展望
国、地方自治体とも人口の高齢化が進展し、様々な分野に弊害や支障が生じるようになっています。
東久留米市ももちろん例外でなく、65歳以上の住民の割合は3割近くなっています。
少子高齢化に対する対策は何通りか考えられますが、市の人口構成比の若年化を図る有効な方法の一つとして、市内に大学など教育機関を誘致し、若い人たちが生活する街にすることがあげられます。
東久留米市への大学の誘致
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1. 大学新設・増設の法規制
東京23区の大学は、全国で唯一、学部・学科の定員が増やせないように規制がかけられており、これを23区規制といいます。
政府はデジタル分野の人材を育成するため、東京23区内の大学の定員増を認めない規制を2024年度にも緩和する方針を固め、定員を増やせるようにするということですが、これはデジタル系の学部・学科に限ります。
2. 東久留米市の立地
東久留米市は池袋駅から西武線で約20分の距離にあり、都心から大変近い位置にあります。都内23区内で定員増を行うことができない大学が、定員を増やすために新たなキャンパスを設ける地域として、有力な候補になってしかるべき立地であるといえます。学生や学校関係者がわざわざ東京都や埼玉県の深奥部まで通勤・通学しなくてもいいのです。
3. 東久留米市における大学誘致の現状
過去、東久留米市にも、ほぼ決まりかけた大学誘致の話があったそうです。どうしてそのような案件が途中で立ち消えになってしまったのかはわかりませんが、ある有力者からうかがった話では、ある大学が上の原に誘致されることになっていたそうです。
そのような経緯もあったことから、東久留米市への大学誘致は、決して夢物語ではないと思います。
東久留米市には、まだまだ広い土地があり、豊かな自然もありますので、都心から至近距離にあることもあわせて考えると、東久留米市は今でも大学誘致の候補地として、十分な資格を兼ね備えているように思われます。
4. 大学誘致の効果
大学誘致の効果としては、まず、学生や大学関係者の往来による昼間の人口の増加、人口構成の若年化、それによる商店街の振興など地域経済の活性化が考えられます。
また、大学施設の近隣にアパートやマンションを借り、そこから通う学生や大学関係者も想定されますので、そのような要因による地域経済、地域文化への好影響も期待できるようになります。
そして、アパートやマンションを借りることを検討している学生や学校関係者に対し、市内の団地の空き室や空き家を整備して貸し出せるようにすると、東久留米市の空き室・空き家問題の解決にも繋がります。
その他にも、特に団地においては、高齢者だけの世帯が増えており、おなじ棟や地域で高齢の住人たちが学生や学校関係者と一緒に生活するようになると、高齢者と若い世代が日常的に触れ合い、互いに援け合うような関係も築かれますので、双方の世代が抱えている様々な問題を解消する一助になることが期待できるようになります。
5. 大学誘致の課題
現在、大学誘致を希望する自治体を取り扱ったWebサイトに東久留米市の情報が掲載されているようですが、このような待ちの姿勢では、大学誘致はなかなか難しいように思われます。自治体の担当者が単独で、あるいは議員と一緒に定期的に大学まわりをするなどしてプッシュ型の営業を行わないと、膠着した事態を打開することは困難かと思います。
手塚治虫先生の名声による東久留米市のブランディング、ブランド化、観光地化もそうですが、地域振興、地域経済の活性化をはじめとする様々な効果が期待できる大学誘致という大きな目標に向かって、これからも希望を高く掲げ、諦めずに前進しましょう。