徳田けんいち後援会

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スコットランドのヘイトクライム法


 2024年4月1日に、スコットランドで「ヘイトクライムと公共の秩序法(Hate Crime and Public Order Act)」が施行されたそうです。

 この法律は、憎悪犯罪に対する既存の法律を強化し、特に「年齢」「不自由(障害)」「人種・肌の色・国籍・民族または出身国」「宗教」「性的指向」「トランスジェンダーのアイデンティティ」「男性や女性ではない性的特徴」の6つの特性に対する憎悪をあおる行為を防ぐことを目的に制定されたもので、違反すると最大で7年の禁錮刑が科せられるそうです。

 犯罪の対象になる範囲が広範囲で、スコットランドで読むことができるインターネット上の言論もすべてスコットランドで公表されたものと見做され、犯罪の対象になるそうです。たとえばスコットランド以外の地域で投稿されたSNSで、法律で保護されている6つの特性に抵触したせいでスコットランドの誰かを不快にさせたら、たとえそれがスコットランド以外の地域や国に住んでいる人でも、スコットランドで罪を犯したことになるということです。

 また、犯罪の基準も、警察の見解では、通報者が不快感や脅威を感じたかどうかであり、受け手が侮辱だと感じればすべて犯罪として扱われるそうです。

 新法が発効してからたった1週間で約8,000件のヘイトクライムが通報されたそうですが、スコットランドが急激に旧東ドイツのような密告社会に変貌してしまったような感があります。

 この法律に対し、特に強く批判しているのが小説「ハリー・ポッター」シリーズの原作者として知られている作家のJ・K・ローリングですが、4月1日以降、さっそく彼女は警察に通報されてしまったそうです。

 スコットランドの現状は、まさに密告が横行した東西ドイツ統一前の東ドイツそのもので、民主主義が成熟したスコットランドのような土地で、このような法律が議会を通ってしまったことが不思議でなりません。

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