徳田けんいち後援会

政治・経済
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アファーマティブアクション


 アメリカの最高裁で、大学入試に人種による優遇枠を設けることは逆差別であるという判決がでたそうですが、公平性とは何かをあらためて考えさせる事案です。
 ちなみに公平性と平等は意味が異なり、公平性は適正な評価、取扱い、平等は均等な分配を意味します。
 公平性と平等はおなじ意味に捉えられがちですが、実際はこのように異なります。
 公平性と平等を一緒くたにして議論しているので、様々な混乱が生じているように思われます。

 アファーマティブアクション(Affirmative Action)は、社会的に不平等な状況を是正するために採用される政策や行動のことを指します。主な目的は、過去の差別や不平等によって不利な立場に置かれていたグループ(一般的には少数民族や女性)に対して、平等な機会や待遇を提供することです。

 アファーマティブアクションの具体的な手法は国や地域によって異なりますが、以下のような措置が取られることがあります。

 ① 積極的な採用政策
 企業や公共機関において、少数民族や女性などの特定のグループへの採用枠を設けることがあります。これにより、過去の差別や不平等によって不利な立場にあったグループに対して、平等な雇用機会を提供します。

 ② 優先的な入学措置
 大学や教育機関において、少数民族や女性などの特定のグループへの入学枠や奨学金制度を設けることがあります。これにより、多様性のある学生集団を形成し、平等な教育機会を提供します。

 ③ 契約割当制度
 政府機関や公共事業などの入札や契約において、特定のグループへの割当制度を設けることがあります。これにより、経済的に不利な立場にあるグループに対してビジネスチャンスを提供します。

 アファーマティブアクションは、平等という価値観を追求する一方で、公平性や個人の能力や資格を考慮するというバランスが求められます。そのため、議論や意見の対立も存在します。一部の人々は、アファーマティブアクションが逆差別を助長すると主張する一方で、他の人々は歴史的な不平等を是正するために必要な措置であると考えます。この問題については社会的な背景や文化によっても意見が分かれることがあります。

 補足 : 公平性、平等

 公平性(Fairness)と平等(Equality)は、社会正義や資源の分配に関連する概念ですが、異なる意味を持ちます。

 公平性は、人々が適切な扱いを受けることを指します。公平な状況では、個人やグループの特性や状況に応じて、適切な措置や待遇が提供されます。公平性は、個々のニーズや能力、背景を考慮し、不平等な状況を是正するために、特別な取り組みや政策が必要とされる場合もあります。つまり、公平性は平等ではなく、個別の要素や状況に基づいて適切な対応を行うことを目指す概念です。

 一方、平等は、資源や機会の均等な分配を指します。平等な状況では、全ての人々が同じ条件や待遇を受けることが求められます。平等の原則に基づく社会では、人々は人種、性別、社会的地位などに関わらず、同じ権利や機会を享受することが期待されます。

 公平性と平等は、社会的な正義を追求する上で重要な概念ですが、どちらが優先されるべきかについては意見が分かれることがあります。一部の人々は、特定のグループに対してアファーマティブアクションや特別な措置を取ることで公平性を実現するべきだと主張します。一方で、他の人々は、全ての人々が平等に扱われる社会が理想であり、特別な配慮が不要であるべきだと考えます。

 公平性と平等は、特定の文脈や目的に応じて異なる解釈がされることもあります。社会の多様性や課題に対して、バランスの取れたアプローチを追求することが重要です。

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