*
*
*

日本の政府債務残高、実は世界最速ペースで減少-実効ベース

 2015年12月28日の「「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…なんと2016年、財政再建は実質完了してしまう!」からの抜粋になりますが、嘉悦大の高橋洋一教授によれば、財務省が日本政府の財政について触れるとき、バランスシートの右側の負債しか言っていないそうです。
 2013年度末の国のバランスシートを見ると、ネット国債(負債の総額から資産を引いた額。負債1143兆円-資産653兆円)は490兆円で、政府内の子会社を連結すると、さらにそれが451兆円に縮小されるそうです。
 ただし、この連結ベースには大きな欠陥があり、日銀が含まれていないということです。経済学でも、日銀と政府は「広い意味の政府」とまとめて一体のものとして分析しており。これを統合政府というそうです。
 直近(2015)の政府のバランスシートがわからないので、正確にはいえないということですが、あえて概数でいえば、日銀も含めた連結ベースのネット国債は150~200兆円程度ということで、そのまま行くと、近い将来には、ネット国債はゼロに近くなるだろうということです。
 これに対して「日銀券や当座預金も債務だ」という反論が出てきますが、国債と比べてほぼ無利子で償還期限もなく、この点は国債と違って、広い意味の政府の負担を考える際に重要であるということです。
 政府と日銀の連結バランスシートを見ると、資産側は変化なし、負債側は国債減、日銀券(当座預金を含む)増となり、量的緩和は、政府と日銀を統合政府で見たとき、負債構成の変化であり、有利子の国債から無利子の日銀券への転換ということになるそうです。
 このため、毎年転換分の利子相当の差益が発生し(これをシニョレッジ〔通貨発行益〕という。毎年の差益を現在価値で合算すると量的緩和額になる)、また、政府からの日銀への利払いはただちに納付金となるので、政府にとって日銀保有分の国債は債務でないのも同然になるということです。これで、連結ベースの国債額は減少するということです。
 量的緩和が、政府と日銀の連結バランスシートにおける負債構成の変化で、シニョレッジを稼げるメリットがあると同時にデメリットもあり、それはシニョレッジを大きくすればするほど、インフレになるということです。だから、デフレの時にはシニョレッジを増やせるが、インフレの時には限界があるということです。
 その限界を決めるのがインフレ目標ということです。インフレ目標の範囲内であればデメリットはないが、超えるとデメリットになるということです。
 日銀乗換は、多くの識者が禁じ手としている「日銀引受」ということです。日銀引受は、高橋教授が大蔵省にいた当時、この国債発行計画を担当していたときにもあったし、今でもあるということです。
 日銀が国債を保有した場合、その利払いは直ちに政府の納付金となって財政負担なしになり、償還も乗換をすればいいので、償還負担もなくなります。それが、政府と日銀を連結してみれば、国債はないに等しいということになるそうです。

 経済アナリストの森永卓郎氏も2017年に高橋教授とほぼ同様のことを言っていますが、異論があるのも事実です。
 異論は主にマネタイゼーションに対する危惧を中心にしたものだったように思いますが、要はインフレ率を監視しながら慎重に行えば、マネタイゼーションも政府の財政赤字解消の極めて有効な施策になるということではないでしょうか。

 マネタイゼーション monetization
 1貨幣を発行すること。
 2資源や資産などを現金化すること。特に、中央銀行が通貨を増発して国債を引き受けることにより、政府の財政赤字を解消すること。国の財政支出拡大とマネタイゼーションを組み合わせて行うことで、景気浮揚とデフレ脱却の効果が見込めるとの意見もあるが、通貨の信認が低下し、極端なインフレを招くなどの副作用も懸念される。財政ファイナンス。
 コトバンクより引用

 以下、2016年6月2日のBloombergからの関連記事の引用になります。
 
 日本は国内総生産(GDP)比で世界最大の政府債務残高を抱える国として長年知られてきた。しかし、実情は変わりつつある。
 実効ベースで見た場合、公的借り入れ負担は年間にGDPの15ポイントに相当するペースで急減しているとの推計もあるためで、そうだとすれば一段と管理可能な水準に向かっていることになる。
 変貌の謎を解く鍵は日本銀行による先例のない日本国債買い入れだ。一部エコノミストはこれを政府債務の「マネタイゼーション(貨幣化)」と呼ぶ。政府のバランスシートに国債の負債は残るが、もはや民間部門が保有するわけではないため、実効ベースでは関係ないというのが、一部識者の見方だ。
 富士通総研のシニアエコノミスト、マルティン・シュルツ氏は「日本は民間保有の公的債務がどこよりも急速に減っている国だ」と指摘した。
 日本の政府債務残高はグロスベースで現在、GDPの2倍余りと推計されるが、日銀統計を使ったシュルツ氏の算定では、銀行や家計など民間部門から日銀に保有が移行しつつあることで大きな影響が生じている。同氏の推計によれば、政府債務残高のうち、民間保有分は2012年末の第2次安倍晋三内閣発足直前のGDP比177%から、向こう2-3年で同100%程度に低下する見通しだ。
 日本が借り入れを減らしている訳ではない。安倍政権はさらなる財政刺激策を準備中で、その資金は国債発行で賄われる。安倍首相は1日には、17年4月に予定していた消費増税の再延期を発表した。
 日銀保有の政府債務の少なくとも一部が償却されるということが明確になれば、家計のセンチメントを向上させる一因になるだろう。日本の消費者がグロスベースの政府債務全てを負担するわけではないと理解することにより、ムードは改善する可能性がある。
 英金融サービス機構(FSA、英金融行動監視機構 =FCA=の前身)の元長官で、現在は新経済思考研究所の会長を務めるアデア・ターナー氏は、「日本の政府債務が通常の意味で返済されるとの信頼できるシナリオはないと確信する」とコメント。「公的債務の一部は日銀によって恒久的にマネタイズされるため、全ての返済は不要だと日本の国民に明確にするのが有益だろう」と語った。
 現状では、政策当局者が完全な財政の貨幣化に一歩近づく用意があるとの兆候は見られない。JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、財政規律を重視する財務省で財務官を務めた黒田東彦日銀総裁がそのような構想を支持することは決してないだろうとみる。
 菅野氏は、明示的なマネタイゼーションは外国人投資家による円相場押し下げを促し、インフレ高進につながる可能性があると分析。ただ、それが最終段階でどのような効果をもたらすかが大きな懸念材料だとして、自殺行為に等しい政策だとの考えを示した。
 具体的には、日本政府と日銀の信認を意図的に損ねることで、当局者は借り入れコストの急上昇を招く危険を冒すことになり、特にインフレ目標が達成され、日銀が引き締め策に転じる場合にはそのようなリスクが高まると菅野氏は指摘した。

最近のニュース・トピックス

カテゴリー

アーカイブ


  • 後援会の代表者
    行政書士・マンション管理士・社会保険労務士
    ファイナンシャル・アドバイザー
    徳田 賢一
  •  政策への賛同者が一体になることで大きなうねりを引き起こし、党派にとらわれない新しい大きな波を市政に伝えることができるようになることを期待します。
     入会は無料です。無党派層の方たちも含め、共有可能な目標にむかって、共に歩みを進めていただければ幸いです。
     入会していただいた方には、不定期になりますが、政策に関連したニュース、トピックス等を発信させていただきます。
  • 後援会への入会申込ページ
  • 入会申込書(PDF)ダウンロード

ページトップへ